光と物質系が織りなす量子の世界
光を照射したときに生じる半導体ナノ構造(ナノカーボン系も含む)の励起状態や,そのような励起状態から生じる量子力学的な光について理論的に研究しています.また,原子などの物質と光との相互作用を利用した光の量子制御にも興味を持っています.
ナノマテリアルと機能性デバイスの創製
ナノメートルサイズの微小な物質を作製し,そこで観測される特異な性質を調べています.また,物理学に基づいたミクロな視点から物質の特徴を理解し,それらを利用した各種センサーなどの機能性デバイスを開発しています.
スピン系の統計力学=磁石は何で磁石?どのように磁石?
鉄をひっつけたり互いに反発しあったりする,あの磁石は「量子力学」から初めてその効果が導き出される.電子の持つスピン自由度の交換によって,そのスピンが平行なら強磁性の,反平行なら反強磁性の性質を示す事がわかっている.それらスピンが沢山集まって「協調現象」として磁石が現れる.どのような性質が表れるのだろうかをいろんなスピン模型について正確に解いて調べている.
ひしめく電子の物理学
物質の磁性は電子のスピンに由来しますが,電子がぎゅうぎゅうに詰まった強相関系と呼ばれる物質では,電子の電荷や形(軌道)がスピンと結びつくことで普通の磁石と異なる電磁応答が生まれます.私たちは,強相関系の電子状態を理論的に調べることで新物性を探索しています.
機能性レオロジー
液体の性質を迅速に測定できる装置の開発を行っています.表面張力や粘性といった物質固有の値は,温度や流れる速度,触れ合っている容器の材質などによって変化します. 今までも精確に測定できる測定装置はありましたが,液体の量がたくさん必要であったり,測定に時間がかかったりと不便な点がいくつかありました.そこで,液体の量は耳かき一杯程度,測定時間は数秒で完了できる装置の開発をすすめています. この装置が信頼できる値を測定できるようになると,血液やさまざまな生体物質の測定に応用でき,将来は病気の予防や早期発見などに有効な装置になりうると考えています.
観測天文学
チリのアタカマ砂漠に建設されたアルマ望遠鏡や,ハワイのすばる望遠鏡などの大型望遠鏡で宇宙を観測し,私たちの銀河系,太陽系,そして地球のような惑星がどのように生まれたのかを解明していきたいと思います.
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